AGAとMPHL
男性型脱毛症について、日本で広く使われている「AGA(Androgenetic Alopecia)」と、欧米で一般的に使われる「MPHL(Male Pattern Hair Loss)」という2つの呼び方が存在します。両者の違いや意味について、以下にわかりやすく解説します。
AGA(Androgenetic Alopecia)とは
- 日本やアジア圏で最も一般的に使われている医学用語です。
- 「アンドロゲン(男性ホルモン)」+「遺伝的要因(Genetic)」に起因する脱毛症という意味です。
- つまり、DHT(ジヒドロテストステロン)などの男性ホルモンが毛包に作用し、徐々に髪が細くなっていくのが特徴です。
- 主に前頭部や頭頂部から脱毛が進行します。
MPHL(Male Pattern Hair Loss)とは
- 欧米の臨床や学術的な場面で標準的に使用される名称です。
- 「男性の一定のパターンに沿った脱毛症」という意味で、原因よりも臨床的な脱毛の形状(パターン)に注目した名称です。
- 前頭部や頭頂部の薄毛を典型とし、ノーウッド・ハミルトン分類などで進行度が評価されます。
- ホルモンや遺伝要因を前提にすることもありますが、名称としては中立的かつ観察ベースです。
AGAとMPHLの違いと使い分け
項目 | AGA(日本など) | MPHL(欧米) |
---|---|---|
名称の意味 | アンドロゲン遺伝性脱毛症 | 男性型パターン脱毛症 |
原因の表現 | 原因(男性ホルモン+遺伝)に注目 | 症状(脱毛の分布パターン)に注目 |
使われる地域 | 日本・アジア中心 | 欧米中心 |
分類や評価基準 | 明確な分類は少ない | ノーウッド・ハミルトン分類で評価 |
臨床での傾向 | 内因性の脱毛として治療が進む | 臨床パターンを重視して診断が進む |
まとめ
呼称 | 正式名称 | 主な使用地域 | 特徴 |
---|---|---|---|
AGA | Androgenetic Alopecia | 日本・アジア圏 | 男性ホルモン+遺伝に基づく脱毛症という原因論重視の用語 |
MPHL | Male Pattern Hair Loss | 欧米 | パターン化された男性の脱毛として、観察と進行パターンを重視 |
AGAとMPHLは指している疾患自体はほぼ同じですが、用語の立ち位置(原因を強調するか、パターンを重視するか)や使われる地域、学術的なアプローチに違いがあります。
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