シルデナフィルの薬効薬理

シルデナフィルの薬効薬理に関する記述を詳しく解説します。シルデナフィルは、主に陰茎の勃起を改善するために使用される薬物で、その作用機序は次のように説明されます。


作用機序

シルデナフィルは、陰茎海綿体内に存在するPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素を選択的に阻害します。この酵素は、陰茎海綿体内でのcGMP(環状グアノシン一リン酸)の分解を担っています。シルデナフィルは、この酵素を阻害することにより、cGMPの分解を抑制し、結果としてcGMPが増加します。

  • NO(酸化窒素)が神経や海綿体内皮細胞から放出されると、cGMPが生成されます。
  • cGMPは、海綿体の平滑筋を弛緩させ、血管を拡張し、陰茎への血流量を増加させることにより、勃起を助けます。
  • シルデナフィルは、このcGMPの分解を阻害することで、勃起が持続しやすくなります。

PDE5阻害作用

  • PDE5(ホスホジエステラーゼ5)は、cGMPを分解する酵素であり、シルデナフィルはこの酵素の活性を選択的にかつ競合的に阻害します。
  • 研究によると、シルデナフィルのIC50値(PDE5の50%の阻害を達成する薬物濃度)は3.5nmol/Lであるため、非常に高い選択性を持ってPDE5を阻害します。この選択性が、他のタイプのホスホジエステラーゼ(例えばPDE1やPDE3)への影響を最小限に抑えることを意味します。

陰茎海綿体内cGMP増大作用

シルデナフィルは、NO供与体であるニトロプルシドナトリウム(SNP)との併用実験で、cAMP(環状アデノシン一リン酸)量には影響を与えずに、陰茎海綿体内のcGMP量を増大させることが確認されました。

  • 研究で得られたEC50値(効果半最大濃度)は0.43〜0.52μmol/Lであり、この濃度範囲でcGMPの増加が見られました。
  • cGMPの増加は、海綿体の平滑筋を弛緩させ、血流を増加させる作用に関与しています。

海綿体弛緩増強作用

シルデナフィルは、摘出ヒト海綿体において、神経刺激による海綿体の弛緩反応10nmol/L以上で増強することが確認されました。さらに、100nmol/L以上で弛緩反応の持続時間を延長する効果がありました。

  • これは、シルデナフィルが海綿体の平滑筋弛緩を強化し、持続させる作用を示しています。
  • 神経刺激により、陰茎の海綿体が弛緩することが、勃起に必要な血流の増加を助けるため、この効果は勃起を持続させるために重要です。

海綿体内圧増強作用

シルデナフィルは、麻酔イヌの陰茎海綿体内圧骨盤神経刺激によって増強する作用がありました。

  • この作用は、シルデナフィルが血管を拡張させ、血流量を増加させることによるもので、勃起時の陰茎内の血液量を高める効果に寄与します。
  • 研究で得られたED50値(半数効果量)は12.0μg/kgであり、この値はシルデナフィルが海綿体内圧を増強するために必要な投与量を示します。

まとめ

シルデナフィルは、陰茎海綿体内のPDE5を選択的に阻害することによって、cGMPの分解を抑制し、勃起に必要な血流量を増加させ、陰茎の平滑筋を弛緩させます。この薬物は、海綿体の弛緩を強化し、勃起の持続時間を延ばす効果を持ち、また、海綿体内圧を増強することにより、勃起を促進します。このように、シルデナフィルは勃起不全の治療において、非常に重要な役割を果たしています。

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