シアリスのその他の注意
シアリス(タダラフィル)のその他の注意に記載された内容について、臨床的な意味や注意点を含めて詳しく解説します。
臨床使用に基づく情報
視力低下・視力喪失(非動脈炎性前部虚血性視神経症:NAION)
解説:
- NAION(Non-Arteritic Anterior Ischemic Optic Neuropathy)とは、視神経への血流が一時的に遮断されて起きる視神経障害です。
- 進行が急で、突然の片眼性視力低下・視野欠損を起こします。
- PDE5阻害薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルなど)とNAIONとの関連が完全には証明されていない(因果関係不明)が、使用後に発症した報告が海外で多数あります。
リスクの高い人:
- 年齢50歳以上
- 糖尿病
- 高血圧
- 高脂血症
- 喫煙歴
- 心血管疾患
研究報告の補足:
- PDE5阻害薬の消失半減期の5倍の時間(タダラフィルで約4日)は、NAION発症リスクが2倍になるという報告があります。
- 片眼にNAION歴のある患者には再発リスクがあるため投与すべきではないとされています。
痙攣発作
解説:
- PDE5阻害薬使用後に、まれにてんかん様の痙攣発作が報告されています。
- てんかんの既往歴がある患者や、脳に病変を持つ人ではリスクが上がる可能性があります。
臨床的配慮:
- 既往にてんかんや脳疾患がある人への投与には、慎重を要します。
- 神経症状が現れたら中止を検討すべきです。
突発性難聴・急激な聴力低下
解説:
- PDE5阻害薬使用後に、片耳または両耳で突然聞こえにくくなる症例が報告されています。
- 多くは耳鳴り、めまいを伴います。
- 聴力障害は急性かつ不可逆的な場合もあり、早期発見と中止が重要です。
アルコールとの併用による起立性低血圧・めまい
解説:
- タダラフィルとアルコールを同時に摂取した臨床試験では、薬物動態(血中濃度)に大きな相互作用は見られませんでした。
- しかし、高用量(体重60kgでワイン約3〜4杯相当)の飲酒をした場合、めまいや起立性低血圧が出やすくなることが確認されています。
注意点:
- 立ちくらみ、転倒、事故などのリスクがあるため、服用時は節度ある飲酒を推奨。
- 飲酒後に性行為を予定している場合は慎重な判断が必要です。
非臨床試験に基づく情報(動物実験)
精子への影響(イヌでの毒性試験)
解説:
- イヌに高用量のタダラフィルを3〜12か月間毎日投与すると、
- 精巣の重量低下
- 精子を作る組織の変性
- 精子数の減少 が確認されました。
ヒトでの試験:
- 一部のヒト試験で精子濃度がわずかに減少する例がありました。
- ただし、
- 精子の運動性
- 精子の形状
- 男性ホルモン(テストステロン等) には変化が見られなかったという報告です。
意味すること:
- 現時点では、生殖能力に重大な影響を与える可能性は低いとされていますが、
- 長期服用時や妊娠希望者への影響については今後も観察が必要です。
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