肘の関節痛
肘関節痛とは?
肘関節痛は、肘の内側・外側・中央部のいずれか、または複数の部位に痛みが出る状態です。腕の曲げ伸ばしや、手を使った動作(荷物を持つ、パソコン作業、スポーツなど)で痛みが強くなることが多いです。
肘関節痛の主な原因と疾患
原因・疾患名 | 説明・特徴 |
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上腕骨外側上顆炎(テニス肘) | 手首を反らせる筋肉の使いすぎによって肘の外側に痛み。テニス以外でも多く見られ、中年女性に多い。 |
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘) | 手首を曲げる筋肉の使いすぎによる肘の内側の痛み。繰り返し動作(打つ・持つ・引く)で悪化。 |
肘部管症候群 | 肘の内側を通る「尺骨神経」が圧迫され、しびれや痛み、筋力低下が出る。 |
変形性肘関節症 | 関節の軟骨がすり減り、痛みや可動域制限が出る。加齢や過去の外傷が原因。 |
滑液包炎(オレクラノン滑液包炎) | 肘の後ろに腫れ・赤み・熱感が出る。転倒や長時間の肘つき動作が原因。 |
関節リウマチ | 朝のこわばりや左右対称の痛みが特徴。関節の破壊が進行する自己免疫疾患。 |
痛風・偽痛風 | 突然の強い痛みと腫れ。肘にも起こることがあり、関節液中の結晶が原因。 |
骨折・脱臼・靭帯損傷 | 外傷や転倒によって痛み、腫れ、動かせないなどの症状。 |
検査と診断
- 視診・触診・可動域の確認
- X線検査(レントゲン):骨の変形や骨折の有無を確認
- MRI・超音波:靭帯や筋肉・滑液包の状態確認
- 神経伝導検査:肘部管症候群などの神経障害の診断
- 血液検査・関節液検査:リウマチ、痛風の評価
治療法
1. 保存療法(まずはここから)
- 内服薬:NSAIDs(ロキソニン、セレコキシブなど)
- 外用薬:湿布・塗り薬(ジクロフェナクゲルなど)
- 装具療法:エルボーバンドやサポーターで筋の緊張を緩和
- 注射:
- ステロイド:強い痛みや腫れがある場合に有効
- ヒアルロン酸:変形性関節症に対する関節保護
- 理学療法:
- ストレッチ、筋力トレーニング(前腕屈筋・伸筋群)
- 手技療法や温熱療法(ホットパックなど)
2. 手術療法(保存療法が無効な場合)
- 関節鏡手術:骨棘の除去や滑膜切除など
- 神経剥離術:肘部管症候群など神経の圧迫を取り除く
- 筋腱修復術:慢性の腱断裂などに対応
セルフケアと予防法
- 肘を休ませる:痛みがある間はできるだけ負担動作を避ける
- ストレッチと筋トレ:手首・前腕の筋肉をほぐす運動
- 温冷療法:急性期は冷やし、慢性期は温める
- 正しい姿勢と動作:パソコンやスマホ使用時の手の位置に注意
- サポーター使用:日常的に負担を減らすのに有効
受診のタイミング
以下のような症状があれば、早めに整形外科の受診をおすすめします:
- 数週間以上痛みが続く
- 腫れや赤み、熱感がある
- 手や指のしびれ、力が入りにくい
- 夜間痛や安静時痛がある
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