ザガーロ
ザガーロ(Zagallo)は、デュタステリド(Dutasteride)という有効成分を含む、男性型脱毛症(AGA)治療薬です。日本では2015年にグラクソ・スミスクライン(GSK)によって発売されました。ここでは、ザガーロの成分・作用機序・効果・副作用・注意点などについて詳しく解説します。
◆ ザガーロとは?
- 一般名(成分名): デュタステリド(Dutasteride)
- 薬剤分類: 5α還元酵素阻害薬(内服薬)
- 承認適応: 男性における男性型脱毛症(AGA)の進行遅延
- 剤型: カプセル(通常0.1mg、0.5mg)
◆ ザガーロの作用機序(どう効くか)
AGAの原因:
- 男性ホルモン「テストステロン」が、5α還元酵素によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換され、このDHTが毛包(毛根の周囲)を萎縮させ、薄毛を進行させます。
ザガーロの作用:
- デュタステリドは、5α還元酵素1型・2型の両方を阻害することにより、DHTの産生を抑制。
- DHT濃度が下がることで、毛包の萎縮が抑えられ、脱毛の進行が遅れ、発毛環境が改善されます。
ポイント:
- 同じ分類の薬「プロペシア(フィナステリド)」は2型酵素のみを阻害。
- ザガーロは1型・2型両方を抑えるため、より強力とされます。
◆ ザガーロの効果(臨床データ)
- 日本での臨床試験では、24週間で髪の毛の太さ・密度が増加し、薄毛の進行を遅らせる効果が確認されました。
- 効果の実感は服用開始から3〜6か月程度が一般的です。
- 効果を維持するためには継続的な服用が必要です。
◆ 主な副作用
副作用 | 発現率(例) |
---|---|
性欲減退 | 約4〜5% |
勃起障害(ED) | 約3〜4% |
射精障害 | 約1〜2% |
精液量の減少 | 少数例 |
乳房のはりや痛み(稀) | ごくまれ |
- これらの副作用はDHTの低下に関連しており、服用中止後に回復する場合もありますが、まれに後遺症として持続する可能性も指摘されています(PFS:ポスト・フィナステリド症候群との関連性議論もあり)。
◆ 注意すべき点
① 妊婦・女性・子どもへの禁忌
- 妊婦や妊娠可能な女性がザガーロのカプセル内容物に触れると、胎児(特に男児)に性器異常のリスクがあるとされています。
- 女性や未成年者(20歳未満)は使用禁止です。
② 効果を実感するには時間がかかる
- 最低でも3〜6か月継続しなければ効果判定ができません。
- 中断すると数か月で元の状態に戻ることがあります。
③ 前立腺がんのマーカー(PSA)に影響
- ザガーロは前立腺特異抗原(PSA)を約50%低下させるため、がんのスクリーニングには注意が必要です。
◆ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
用途 | 男性型脱毛症(AGA)の進行遅延 |
有効成分 | デュタステリド |
効き方 | DHTの産生を抑える(1型・2型酵素を阻害) |
効果 | 発毛促進、脱毛進行の抑制(3〜6か月で実感) |
副作用 | 性機能低下、精液減少、乳房異常など |
禁忌 | 女性、20歳未満、妊婦との接触禁止 |
比較 | プロペシアよりDHT抑制が強力(作用範囲が広い) |
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