シアリスの適用上の注意
シアリスの薬剤交付時の注意に関する各項目の意味を、医療現場の観点から詳しく解説します。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
解説:
- PTPシートとは、錠剤が1錠ずつアルミやプラスチックで密封されているシート包装のこと(Press Through Package)。
- このシートごと飲み込む「誤飲事故」が高齢者などでまれに報告されており、鋭利な角が食道に突き刺さる可能性があります。
- 結果として、
- 食道穿孔(穴が開く)
- 縦隔洞炎(胸の内部に炎症) など、致命的になりうる合併症を引き起こす可能性があります。
指導のポイント:
- 患者に対し、「必ず錠剤をシートから取り出して飲むこと」を徹底して指導すべきです。
本剤は投与後36時間まで有効性が認められていることから、その期間は安全性について十分配慮すること。
解説:
- シアリス(タダラフィル)は、最大36時間にわたり勃起機能改善効果を持続するのが特徴です(バイアグラなど他剤は4〜6時間程度)。
- そのため、「1錠飲んだら1日以上効果が続く」可能性がある。
安全面での配慮とは?
- 性行為における身体的負担(特に心血管)を考慮すること。
- 他のED薬や硝酸薬を短期間に併用しないこと(禁忌)も大切。
本剤は食事の有無にかかわらず投与できる。
解説:
- 一部のED治療薬(例:バイアグラ)は「食後すぐに服用すると効果が弱くなる」ため空腹時推奨ですが、
- シアリスは食事の影響を受けにくく、食前・食後いずれでも服用可能です。
注意点:
- ただし、高脂肪の過剰摂取後では吸収が多少遅れる可能性はあるため、体感の個人差はあり得ます。
本剤には性行為感染症を防ぐ効果はない。
解説:
- シアリスはあくまで勃起機能の改善薬であり、避妊や性感染症(STI)予防の効果はまったくありません。
- コンドームの使用やパートナーとの感染リスクについて、適切な理解と行動が必要です。
指導の必要性:
- 若年層や複数のパートナーと性行為を行う人などに、「避妊・感染防止策は別途必要」と明確に説明すべきです。
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