メラトニンと不眠症は深く関係しています。メラトニンは「睡眠のスイッチ」とも言われるホルモンであり、その分泌のタイミングや量が乱れると、不眠症の原因や悪化要因になることがあります。
そもそも:メラトニンの基本
項目 |
内容 |
分泌場所 |
脳の松果体(しょうかたい) |
分泌タイミング |
日没後~深夜にかけて分泌され、眠気を誘導 |
役割 |
体内時計の調整、入眠促進、睡眠リズムの安定化 |
メラトニンと不眠症の関係
【1】メラトニン分泌の乱れ → 不眠につながる
状態 |
影響 |
分泌量が少ない |
入眠しづらく、眠りが浅くなる(特に高齢者に多い) |
分泌のタイミングがずれる |
体内時計と外部の時間がズレて寝つけない(概日リズム障害) |
光刺激が強い(特にブルーライト) |
メラトニンが抑制され、眠気が来ない |
【2】メラトニンが関係する不眠症のタイプ
タイプ |
説明 |
入眠困難 |
布団に入ってもなかなか眠れない(メラトニン不足またはタイミングのズレ) |
概日リズム睡眠障害 |
夜型・遅寝遅起き型など、体内時計のズレが原因(例:若年者の睡眠相後退症候群) |
高齢者の睡眠障害 |
加齢とともにメラトニン分泌が減少し、早寝早起き+中途覚醒が増える |
科学的な補足:メラトニンの加齢と不眠
- メラトニン分泌は 思春期をピークに、加齢とともに低下
- 60歳以上では分泌量が20~30代の半分以下に
- そのため高齢者に不眠症が多いのは、メラトニン不足が一因
メラトニンの補充療法(サプリや薬)
内容 |
説明 |
メラトニン製剤(海外) |
欧米では時差ボケや不眠症に医療用またはOTCサプリとして使用可 |
ラメルテオン(商品名:ロゼレム) |
日本で承認されている医療用メラトニン受容体作動薬。体内時計を整える作用がある |
CBDとの併用(海外事例) |
メラトニンとCBDを組み合わせた睡眠用サプリが欧米で市販されているが、日本では未承認 |
メラトニンを自然に整える方法
方法 |
理由 |
朝日を浴びる(起床後30分以内) |
セロトニンを活性化 → 夜にメラトニンが生成されやすくなる |
就寝前のスマホ・PCの使用制限 |
ブルーライトがメラトニン分泌を抑制 |
夜は暖色系の照明に切り替える |
暗さを脳が感じることで自然にメラトニンが増える |
就寝1〜2時間前の入浴 |
体温の低下をきっかけに眠気が来る(メラトニンと連動) |
トリプトファン含有の食事 |
メラトニンの原料となる(例:乳製品、大豆、卵、ナッツ、バナナなど) |
まとめ
ポイント |
内容 |
メラトニンは体内時計と睡眠の調整に不可欠なホルモン |
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メラトニンの不足や分泌タイミングのズレは不眠の原因になる |
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医療用やサプリで補う方法もある(使用は医師と相談) |
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日中の活動と夜の光環境を整えることが自然な分泌を促す鍵 |
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ひと言でいうと…
「よく眠れない…」その原因、”夜のホルモン”メラトニンが関係しているかもしれません。
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