指の関節痛
指の関節痛とは?
指の関節痛は、指の第一関節(DIP)、第二関節(PIP)、第三関節(MP)や親指の付け根(CM関節)など、複数の関節に生じる痛みや腫れ、こわばりなどの症状を指します。動かしづらさ、変形、握力の低下を伴うこともあります。
主な原因・疾患とその特徴
疾患名 | 主な症状・特徴 |
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へバーデン結節(DIP関節) | 主に女性(40代以降)に多い。指の第一関節が腫れて変形、痛みを伴う。 |
ブシャール結節(PIP関節) | 指の第二関節が腫れる変形性関節症の一種。へバーデンと併発することが多い。 |
関節リウマチ(MP関節中心) | 朝のこわばり、左右対称の腫れと痛み、進行すると関節が破壊され変形する自己免疫疾患。 |
母指CM関節症(親指の付け根) | 物をつまむ動作で痛む。中年女性に多い。進行すると変形や機能障害も。 |
痛風・偽痛風 | 突然、指の関節が赤く腫れて激痛を伴う発作。親指に多いが他の指も可能。 |
感染性関節炎 | 細菌感染により関節が炎症を起こす。発熱や強い腫れ、赤みを伴う。早急な治療が必要。 |
ばね指(腱鞘炎) | 指を動かすと引っかかる感じ。動かしたときに痛みや腫れが出る。関節そのものというより腱の炎症。 |
検査と診断
検査方法 | 内容 |
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X線(レントゲン) | 骨の変形、関節間の狭小化、石灰沈着の有無を確認 |
血液検査 | リウマチ因子(RF)、抗CCP抗体、尿酸値、炎症マーカー(CRP、ESR)など |
関節液検査 | 痛風や感染症の鑑別に重要 |
超音波・MRI | 軟部組織の評価や早期のリウマチ性変化の確認に有効 |
指関節痛の治療法
保存療法(まずはこちらから)
方法 | 内容 |
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薬物療法 | NSAIDs(ロキソニン、ボルタレンなど)、ステロイド(内服や注射)、痛風ならコルヒチン |
関節注射 | ステロイドやヒアルロン酸。特にCM関節症やリウマチで有効なことがある |
装具療法 | サポーターやスプリントで安静を保つ |
温熱療法 | 慢性的な痛みに有効(ホットパック、入浴) |
冷却療法 | 炎症が強いときはアイシング(急性期) |
リハビリ・ストレッチ | 関節拘縮や筋力低下を防ぐ軽い運動 |
手術療法(重症例や保存療法無効時)
- 関節固定術(痛みは取れるが可動域は失う)
- 人工関節置換術(主に母指CM関節など)
- 滑膜切除術(関節リウマチなど)
- 腱鞘切開術(ばね指の外科的処置)
日常生活での注意点と予防法
対策 | 詳細 |
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重い荷物を持たない | 指の関節への過負荷を防ぐ |
道具の工夫 | グリップの太いペンやカトラリーなどを使う |
温めと冷却を使い分ける | 痛みの時期に応じた対応が重要 |
適度な運動 | 手や指のストレッチ、握力強化も効果的 |
保湿ケア | 乾燥による炎症リスクを減らす(指は皮膚が薄いため) |
早めに受診すべき症状
- 朝、指がこわばって動かしにくい(30分以上続く)
- 指の腫れが左右対称にある
- 夜間痛・安静時痛がある
- 指が変形してきた
- 発赤・熱感・発熱を伴う
整形外科またはリウマチ内科の受診をおすすめします。
投稿 指の関節痛 は メプラス - MEPLUS に最初に表示されました。