肩の関節痛
肩関節痛とは?
肩関節痛は、肩の動きや安静時に感じる痛みの総称で、日常生活や仕事、睡眠に支障をきたすことが多いです。肩は「球関節」と呼ばれ、非常に自由度の高い可動域を持つ反面、構造が複雑で障害を受けやすい関節です。
肩関節痛の主な原因と疾患
疾患名 | 特徴・説明 |
---|---|
五十肩(肩関節周囲炎) | 中年以降に多い。肩関節の滑膜や関節包に炎症が起こり、動かすと痛くなる。徐々に肩が動かせなくなる(拘縮)。 |
腱板損傷(回旋腱板断裂) | 肩を支える4つの筋肉(腱板)の損傷。加齢や外傷が原因。腕が上がらない、夜間痛がある。 |
肩インピンジメント症候群 | 腱板が肩の骨にぶつかって痛む状態。挙上時に痛みが出る。 |
石灰沈着性腱板炎 | 腱板内にカルシウム結晶が沈着し、急性の激痛と炎症を起こす。 |
肩関節脱臼(反復性含む) | 転倒やスポーツで肩が外れる。脱臼を繰り返すと習慣化することも。 |
変形性肩関節症 | 軟骨がすり減って骨同士がこすれ、慢性的な痛みと動きの制限が起こる。 |
リウマチ性疾患 | 肩も関節リウマチの影響を受けやすく、左右対称に痛むことが多い。 |
検査と診断法
検査法 | 内容 |
---|---|
レントゲン | 骨の変形や石灰の沈着を確認 |
MRI | 腱板断裂や関節内の詳細を評価 |
超音波検査 | 腱や滑液包の状態をリアルタイムで確認 |
関節液検査・血液検査 | 炎症の有無、リウマチや感染の評価 |
肩関節痛の治療法
1. 保存療法(非手術)
- 薬物療法
- NSAIDs(ロキソニン、セレコキシブなど)
- 局所注射(ステロイド、ヒアルロン酸)
- 物理療法
- 温熱、電気刺激、超音波
- リハビリテーション
- 可動域改善:ストレッチ・運動療法
- 筋力トレーニング:三角筋や腱板の強化
- 生活指導
- 肩を冷やさない、重いものを持たない
- 姿勢改善、枕の高さ調整
2. 手術療法(保存療法が無効な場合)
- 腱板修復術(関節鏡下)
- 石灰除去術
- 人工関節置換術(変形性肩関節症など)
自宅でできるセルフケア・予防法
方法 | ポイント |
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ストレッチ | 肩甲骨まわりを中心にゆっくりと。痛みが強い場合は無理しない。 |
温熱療法 | 入浴やホットパックで血行を促進 |
冷却(急性期) | 急な腫れや強い痛みが出たらアイシング(15〜20分) |
筋トレ(回復期) | チューブやダンベルを使った軽いトレーニング |
姿勢改善 | 猫背や巻き肩を防ぐだけで負担軽減 |
注意が必要な症状
- 夜間にズキズキ痛む
- 腕が上にあげられない・着替えが困難
- 手がしびれる・感覚が鈍い
- 突然の激痛と運動制限
これらがある場合は整形外科やリハビリ科の受診をおすすめします。
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