女性の更年期の症状

女性の更年期の症状:詳細解説

女性の更年期は、卵巣の機能低下に伴うエストロゲン(女性ホルモン)の減少によって、さまざまな症状が現れます。主に身体的な症状精神的な症状皮膚や髪の変化、そして骨密度の低下に分けて解説します。


1. 身体的な症状

◼ ほてり(ホットフラッシュ)

  • 突然、顔や上半身が熱くなる
  • 赤ら顔になり、汗を大量にかくことがある
  • 数分間続いた後、寒気を感じることも
    ➡ エストロゲンの低下により自律神経が乱れ、体温調節がうまくできなくなるために起こります。

◼ 発汗(寝汗)

  • 特に夜間に大量の汗をかく
  • 寝具が汗で湿ってしまうことも
    ➡ ホットフラッシュと同様に、自律神経の乱れが原因です。

◼ 不眠

  • 寝つきが悪い、途中で目が覚める
  • 早朝に目覚めてしまい、眠りが浅くなる
    ➡ ホルモンの変動が脳内の睡眠調節機能に影響を与えるためです。

◼ 動悸・息切れ

  • 突然、心臓がドキドキする
  • 軽い運動でも息切れしやすい
    ➡ 自律神経の乱れにより心拍数が不規則になりやすくなります。

◼ めまい・頭痛

  • 立ちくらみやふらつき
  • 偏頭痛や緊張型頭痛
    ➡ 血管の収縮や拡張の異常が原因となることが多いです。

2. 精神的な症状

◼ イライラ

  • ちょっとしたことで怒りやすい
  • 感情のコントロールが難しくなる
    ➡ エストロゲンの減少が脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、感情が不安定になります。

◼ 不安

  • 漠然とした不安感に襲われる
  • 緊張しやすく、心配事が頭から離れない
    ➡ セロトニンノルアドレナリンの低下が関係しています。

◼ 抑うつ

  • 気分が落ち込み、無気力になる
  • 泣きたくなることが増える
    ➡ エストロゲンの低下に伴う脳内物質の減少が、抑うつ症状を引き起こします。

◼ 集中力や記憶力の低下

  • 物忘れが増える
  • 考えがまとまらないことがある
    ➡ ホルモンバランスの乱れが脳の働きに影響します。

3. 皮膚や髪の変化

◼ 皮膚の乾燥

  • 肌がカサカサする
  • かゆみや赤みが出やすくなる
    ➡ エストロゲンは肌のコラーゲン生成を促しますが、減少すると肌の潤いが失われます。

◼ シワやたるみ

  • 目元や口元のシワが増える
  • 肌のハリがなくなる
    ➡ コラーゲンやエラスチンの減少により、皮膚の弾力が失われます。

◼ 髪の薄毛・抜け毛

  • 髪のボリュームが減る
  • 分け目や生え際が薄くなる
    ➡ エストロゲンの低下に加え、男性ホルモンの相対的増加が影響します。

◼ 体毛の変化

  • 顔や口元にうぶ毛が生える
  • 腕や脚の毛は薄くなる
    ➡ ホルモンバランスの変化が、体毛にも影響を与えます。

4. 骨密度の低下と骨粗しょう症

◼ 骨密度の低下

  • 骨がもろくなり、折れやすくなる
  • 身長が低くなることがある
    ➡ エストロゲンは骨を守る役割を担っています。閉経後にエストロゲンが急激に減少することで骨吸収が進み、骨密度が低下します。

◼ 骨粗しょう症

  • 軽い転倒でも骨折しやすくなる
  • 背中や腰の痛みを感じる
  • 骨折による寝たきりリスクが高まる
    ➡ 骨密度の低下が進行し、骨の強度が著しく低下した状態が骨粗しょう症です。特に脊椎大腿骨の骨折は注意が必要です。

症状を和らげるための対策

◼ 食事療法

  • カルシウムビタミンDを積極的に摂取
  • 大豆イソフラボンはエストロゲン様作用が期待できる
  • 過剰な塩分やカフェインを控える

◼ 運動習慣

  • ウォーキング軽い筋トレを継続する
  • 骨密度を維持するための負荷をかける運動が効果的

◼ 医療的アプローチ

  • ホルモン補充療法(HRT):エストロゲンを補う治療法
  • 漢方薬抗うつ薬:症状に応じて処方
  • 骨粗しょう症治療薬:骨の再吸収を抑える薬

まとめ

  • 女性の更年期は、身体的・精神的・美容面・骨の健康に影響を与えます。
  • エストロゲンの減少が主な原因ですが、生活習慣の改善や医療的アプローチで症状を和らげることが可能です。
  • 症状がつらい場合は、早めに婦人科更年期外来で相談することをおすすめします。

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