男性更年期の症状

男性更年期の症状:詳細解説

男性更年期では、身体的精神的性機能的の3つの側面でさまざまな症状が現れます。これらの症状は、テストステロン(男性ホルモン)の低下が主な原因です。それぞれの症状について詳しく解説します。


1. 身体的な症状

男性更年期の身体的な症状は、エネルギー不足筋力低下代謝の変化などが影響します。

◼ 疲労感・倦怠感

  • 朝起きても疲れが取れない
  • 日中の眠気や集中力の低下
  • ちょっとした活動でもすぐに疲れる
    ➡ テストステロンの低下が筋肉のエネルギー代謝に影響し、慢性的な疲労感を引き起こします。

◼ 筋力低下・体脂肪増加

  • 筋肉量が減少し、筋力が落ちる
  • 特に腹部に脂肪がつきやすい
  • 基礎代謝の低下により太りやすくなる
    ➡ テストステロンは筋肉の維持に重要な役割を担っており、その減少により筋肉量が減少します。また、脂肪の蓄積が促進されます。

◼ 発汗・ほてり

  • 突然の汗やほてりを感じる(ホットフラッシュ)
  • 夜間の寝汗
    ➡ 自律神経の乱れが原因で、発汗中枢が異常に反応しやすくなります。

◼ 関節痛・筋肉痛

  • 特に肩や膝、腰に痛みを感じやすい
  • 筋肉のこわばりや違和感
    ➡ テストステロンの減少は骨や筋肉の健康にも影響を与え、痛みを感じやすくなります。

2. 精神的な症状

男性ホルモンの低下は脳の神経伝達物質にも影響を与え、精神的な不調を引き起こします。

◼ うつ症状

  • 興味や喜びを感じにくい
  • 自己肯定感の低下
  • 無気力感や絶望感
    ➡ テストステロンは脳の活性化に関わるホルモンで、その低下がうつ症状を引き起こします。

◼ 不安感

  • 理由のない不安に襲われる
  • 突然のパニックや焦燥感
    ➡ ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増加し、不安感を悪化させます。

◼ イライラや怒りっぽさ

  • 些細なことで怒りやすい
  • 感情のコントロールが難しくなる
    ➡ テストステロンの低下は、感情の抑制を担う脳の働きを弱めるため、怒りやすくなります。

◼ 集中力や記憶力の低下

  • 物忘れが増える
  • 仕事や会話に集中できない
    ➡ 脳の神経伝達物質のバランスが崩れ、記憶や思考力の低下を招きます。

3. 性機能の変化

男性更年期の症状の中でも、性機能の変化は多くの男性にとって大きな悩みとなります。

◼ 勃起不全(ED:Erectile Dysfunction)

  • 勃起しにくい、または維持が難しい
  • 性行為の途中で萎えてしまう
  • 朝勃ちの回数が減る
    ➡ テストステロンの低下は、血流神経の働きにも影響を与え、勃起不全の原因となります。

◼ 性欲の減退

  • 性的な興味や欲求が低下
  • パートナーへの関心が薄れる
    ➡ 脳内の性欲中枢が十分に刺激されなくなるため、性欲が減退します。

◼ 射精量の減少・オーガズムの低下

  • 射精時の快感が弱くなる
  • 射精量が減る
    ➡ 前立腺や精巣の機能低下により、射精に関わる筋肉の収縮が弱くなります。

症状を軽減するための対策

男性更年期の症状に対処するためには、生活習慣の改善医療的な治療が有効です。

◼ 1. 食事の改善

  • 高タンパク質低脂肪の食事を心がける
  • 亜鉛ビタミンDを積極的に摂取する
  • 過剰なアルコールや喫煙を控える

◼ 2. 適度な運動

  • 筋力トレーニング有酸素運動が推奨されます。
  • 週に3回以上、30分程度の運動を行うことで、テストステロンの分泌を促進します。

◼ 3. 質の良い睡眠

  • 7〜8時間の睡眠を確保
  • 寝る前のスマホやカフェイン摂取を控える

◼ 4. 医療機関での治療

  • ホルモン補充療法(TRT):不足したテストステロンを補充
  • ED治療薬:血流改善を促進する薬
  • 心理療法やカウンセリング:精神的な不調に対するサポート

まとめ

  • 男性更年期は、テストステロンの低下により、身体的精神的性機能的な症状が現れる時期です。
  • 疲労感筋力低下性欲の減退は特に多くの男性に見られます。
  • 生活習慣の改善医療的アプローチを組み合わせることで、症状の軽減が期待できます。

症状が気になる場合は、早めに泌尿器科男性更年期外来を受診することをおすすめします。

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