ヒトパピローマウイルス
ヒトパピローマウイルス(HPV)とは?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚や粘膜に感染するウイルスの一種で、非常に一般的なウイルスです。HPVには200種類以上の型が存在し、そのうち約40種類が性行為を介して感染し、性器や肛門周辺、口腔内などの粘膜に影響を与えます。
HPVの種類とリスク
HPVは、大きく以下の2つのタイプに分類されます。
1. 低リスク型 HPV
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主に尖圭コンジローマ(性器や肛門周辺にできるイボ)の原因となります。
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HPV6型やHPV11型が代表的です。
2. 高リスク型 HPV
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子宮頸がんや膣がん、肛門がん、中咽頭がんなどの原因となることがあります。
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HPV16型やHPV18型が特に発がんリスクが高いとされています。
多くの場合、免疫力によって自然に排除されますが、一部は感染が持続し、がんへと進行することがあります。
感染経路
HPVは、主に以下の方法で感染します。
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性行為
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膣性交、肛門性交、口腔性交を通じて感染します。
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皮膚や粘膜の接触
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性的接触以外でも、感染部位に触れることでうつる可能性があります。
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母子感染
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出産時に感染している母親から赤ちゃんへ感染することがあります。
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症状
多くの場合、HPV感染は無症状です。
1. 尖圭コンジローマ
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性器や肛門周辺にイボのようなできものができます。
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痛みやかゆみを伴うこともあります。
2. がんの前兆やがん
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感染が持続し、細胞が異常に増殖することで、子宮頸がんなどを引き起こします。
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子宮頸がんの初期ではほとんど症状がないため、定期的な検診が重要です。
検査方法
HPV感染の有無を調べるための主な検査方法は次の通りです。
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子宮頸がん検診
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細胞診検査:子宮頸部の細胞を採取し、異常がないか調べます。
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HPV検査:高リスク型HPVの感染有無を確認します。
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視診
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尖圭コンジローマなど、イボの有無を目視で確認します。
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治療方法
HPV自体に対する治療法はありませんが、感染によって生じる病変や症状は治療可能です。
1. 尖圭コンジローマの治療
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外科的切除、レーザー治療、凍結療法など
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塗り薬による治療
2. 子宮頸がんやがん前兆の治療
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異形成が見られる場合は、子宮頸部円錐切除術などを行うことがあります。
予防方法
1. HPVワクチン
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HPVワクチンは、主に高リスク型HPVと低リスク型HPVの感染を予防します。
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9価、4価、2価のワクチンがあり、対象とするウイルスの種類が異なります。
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日本では小学校6年生から高校1年生相当の女子が定期接種の対象ですが、男性への接種も推奨されています。
2. 定期的な子宮頸がん検診
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20歳以上の女性は、2年に1回の検診が推奨されています。
3. 性行為時のコンドーム使用
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完全な予防はできませんが、感染リスクを低減できます。
まとめ
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HPVは非常に一般的なウイルスで、ほとんどの人が一生に一度は感染します。
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多くの場合、免疫力で自然に排除されますが、高リスク型に感染した場合はがんに進行することがあります。
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HPVワクチン接種や定期的な検診で予防・早期発見が可能です。
心配な場合は、早めに医療機関を受診し、検査や相談を受けることをおすすめします。
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