シアリスの相互作用
シアリス(一般名:タダラフィル)の相互作用の序文と、それに関係する薬物代謝酵素「CYP3A4」について詳しく解説します。
相互作用 序文の内容
「本剤は主にCYP3A4により代謝される。」
意味:
- シアリスは体内に入った後、主に肝臓に存在する代謝酵素「CYP3A4(シップ・スリーエー・フォー)」によって分解・代謝されます。
- つまり、CYP3A4の働きによって薬の濃度が適切に調整され、副作用を避けつつ効果を発揮するようになっています。
CYP3A4とは?
項目 | 内容 |
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正式名称 | Cytochrome P450 3A4(シトクロムP450 3A4) |
分類 | 肝臓や腸に存在する「薬物代謝酵素群(CYP酵素)」の一種 |
主な役割 | 外から取り込まれた薬剤や異物(毒素など)を分解して体外へ排泄する |
特徴 | 非常に多くの薬剤の代謝に関与(全薬物の約半数)する重要な酵素 |
なぜCYP3A4が重要なのか?
- CYP3A4が強く阻害される(=働きが弱まる)と、シアリスが体内に長く残り、効果が強くなりすぎたり副作用(低血圧、めまい、頭痛など)が増大する可能性があります。
- 逆にCYP3A4が誘導される(=働きが活性化される)と、シアリスの代謝が早まり、効果が弱くなることがあります。
CYP3A4に影響を与える代表的な薬剤
【CYP3A4を阻害する薬(血中濃度↑)】
薬剤カテゴリ | 例 |
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抗真菌薬 | ケトコナゾール、イトラコナゾール |
HIVプロテアーゼ阻害薬 | リトナビル、サキナビル |
マクロライド系抗生物質 | クラリスロマイシン、エリスロマイシン |
グレープフルーツジュース | 酵素阻害作用がある |
注意点: これらと一緒にシアリスを服用すると、血中濃度が異常に高くなり、副作用のリスクが増すため、5mgから開始し、最大でも10mg/48時間ごとに制限する必要があります。
【CYP3A4を誘導する薬(血中濃度↓)】
薬剤カテゴリ | 例 |
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抗てんかん薬 | フェニトイン、カルバマゼピン |
抗結核薬 | リファンピシン |
ステロイド | デキサメタゾン(高用量で) |
注意点: こうした薬剤を併用すると、シアリスの代謝が早まり十分な効果が得られなくなることがありますが、増量で対処できるとは限らず注意が必要です。
まとめ
項目 | 内容 |
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シアリスの代謝酵素 | 主にCYP3A4 |
代謝が遅くなると | 効果↑、副作用↑(例:めまい、低血圧) |
代謝が早くなると | 効果↓(効果時間の短縮、効きづらい) |
CYP3A4を阻害する薬 | ケトコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシンなど |
CYP3A4を誘導する薬 | リファンピシン、フェニトインなど |
実務対応 | 併用薬を確認し、必要に応じて用量調整または併用回避 |
投稿 シアリスの相互作用 は メプラス - MEPLUS に最初に表示されました。