リラグルチド
リラグルチド(商品名:サクセンダ)
1. 概要
リラグルチドは、GLP-1受容体作動薬に分類される薬剤で、もともとは2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、近年は肥満治療薬としても広く使われています。
商品名「サクセンダ(Saxenda)」は、特に体重管理を目的に承認されたリラグルチドのブランド名です。
2. 作用機序
- GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、腸管から分泌されるホルモンで、血糖値の調節と食欲抑制に関与します。
- リラグルチドは、このGLP-1の作用を模倣し、以下の効果を発揮します。
◇ 食欲抑制
- 脳の満腹中枢に作用し、食欲を減少させます。これにより、摂取カロリーが自然に減ります。
◇ 胃排出遅延
- 胃の内容物が小腸に移動する速度を遅らせ、満腹感を持続させることで過食を防ぎます。
◇ インスリン分泌促進
- 血糖値が高いときにインスリンの分泌を促し、血糖コントロールを助けます。
3. 適応と使用
- 対象
- BMIが30以上の肥満者
- BMIが27以上で、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの肥満関連合併症がある場合
- 投与方法
- 皮下注射(腹部、大腿部、上腕部など)
- 通常は1日1回投与。投与開始は低用量から徐々に増量し、副作用の軽減を図る。
- 治療期間
- 数か月~1年以上にわたり継続的に使用することが多い。
4. 効果
- 体重減少効果が認められており、臨床試験では平均5~10%程度の体重減少が報告されています。
- 食欲が抑えられ、摂取カロリーが減るため、生活習慣の改善と併用すると効果的です。
5. 副作用
主に消化器系の副作用が多く、使用初期に現れやすいです。
- 吐き気、嘔吐
- 下痢、便秘
- 腹痛、胃の不快感
- 低血糖(特に糖尿病患者でインスリンや他の血糖降下薬と併用時)
- 頭痛、めまい
重篤な副作用はまれですが、膵炎や甲状腺腫瘍のリスクについても注意が必要とされています。
6. 使用上の注意
- 医師の管理のもとで使用し、自己判断で中断や増減しないこと。
- 妊娠中・授乳中の安全性は確立されていません。
- 薬剤投与中は定期的に体調や血糖値、肝機能をチェックすることが推奨されます。
- 薬の効果を最大限に引き出すため、適切な食事管理と運動を並行して行うことが重要。
7. まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
薬剤名 | リラグルチド(サクセンダ) |
分類 | GLP-1受容体作動薬 |
適応 | 肥満(BMI30以上、またはBMI27以上で合併症あり) |
投与方法 | 皮下注射、1日1回 |
作用 | 食欲抑制、胃排出遅延、血糖調節 |
効果 | 平均5~10%の体重減少 |
主な副作用 | 吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛 |
注意点 | 医師管理下で使用、生活習慣改善と併用が必要 |
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